95年度 第5回 物理研究委員会まとめ
日時 1995.9.20(水)
会場 大阪教育大学附属高等学校平野校舎 3F 物理実験室
大阪市平野区流町 2-1-24 TEL 06-707-5800 FAX 06-709-1711
参加者25名
- 研究委員の研鑽発表
- 力のモーメントの指導について 川内 正氏(教育大平野)
力のベクトルは、作用線上を移動しても、モーメントの変化を来さない演示例を試作された。
円盤を鉛直に設置し、うでの長さを変え所定のおもりをつり下げてつり合わせる。
そのうちの1つを鉛直線上で位置を変えても、円盤は静止したままとなり、生徒の予想に反するので、印象的で効果的である。
- Internetの個人のホームページへの活動報告の掲載について 神川 定久氏(寝屋川)
物理研究委員会の活動報告を実験的にInternetに掲載したところ、大教大の「インターネットと教育」及び村立葛尾中学の「インターネット版理科の部屋」からのリンクがあった。
試験的なものであるが、研究会の活動紹介になるかと期待している。
滋賀県理科研究会では、全国大会で紹介されたように研究会組織でもパソコン通信を利用している。
ただ、研究委員の共通の理解が必要であるので、次回に継続して意見交換することになった。
- 滋賀大会及び盛岡市での青少年の科学の祭典のTV報道の紹介 山田 善春氏(市立工芸)
- 各研究部会活動紹介
- マイコン部会 神川 定久氏(寝屋川)
- 指導法部会 中村 泰孝氏(四条畷)
本日 部会開催 次回報告
- 実験部会 沢登 啓氏(吹田東)
8/21(月)大阪市立大学 基礎教育実験棟
19名の参加 光速度,電気素量,万有引力定数の測定
- 教育課程部会 筒井 和幸氏(東住吉工業)
- 平成7年度研究集会(会場 府立高槻南高校)について
- 研究授業
- 本管 正嗣氏 テーマ 検討中 2学年物理
- 池田 昌子氏 テーマ 〃 3学年化学
- 徳富 信明氏 テーマ 〃 1学年化学
- 研究発表,研究協議
- 21世紀の理科教育を考える会 山田 善春氏(市立工芸)
高校理科教育のあるべき姿について
- 物理TA標準テストの試作について 宝多 卓男氏(長吉)
- 実態調査に基づく次期学習指導要領への提言 筒井 和幸氏(東住吉工)
- 廃棄テレビの物理教材としての活用法 藤田 利之氏(牧野)
- 物理授業実践報告 平野 裕一氏(豊中)
- 高等学校環境教育のための教材開発 明仁 憲一氏(泉陽)酒井 久一氏(西浦)
- 標準テスト委員会より 平野 裕一氏(豊中)
物理IAの標準テスト問題をも作成する方向で検討している。
- 日本物理教育学会近畿支部より 山田 善春氏(市立工芸)
青少年の科学の祭典 12/23,24 大阪市立科学館
1/6,7 神戸市立青少年科学館
- 近畿大学附属図書館秘蔵図書見学会について 橋本 修一氏(近大附高)
物理研究委員会の希望に基づき、下記の原書について、特に閲覧できる機会を近大図書館のご厚意で実現できる運びになった。
日 時 12月13日(水)午後2時半〜 参加者が個々に閲覧
午後4時 〜 物理研究委員会開催
会 場 近大図書館
- ニュートン 「自然哲学の数学的原理」(プリンキピア) ロンドン1687年
- マックスウェル 「電気磁気学」 オックスフォード 1873年
- アインシュタイン 「一般相対性理論の基礎」 ライプッイヒ 1916年
- コペルニクス 「天体の回転について」 ニュールンベルグ 1543年
- ガリレオ ガリレイ 「新科学対話」 ライデン 1638年
- ダーウィン 「種の起源」 ロンドン 1859年
- ケプラー 「新天文学」 ハイデルベルグ 1609年
- ファラデー 「電気実験研究」 ロンドン 1832〜43年
- 諸連絡
- 理振について
今年度実施校は、今月中に通知されるか?
廃棄手続き等、台帳の整備
各校の理科実験の独自の取り組みに基づき、校長による申請書提出
- チームティチング等理科教育の質的充実について
- 今後の計画
幹事会 9月27日(水) 北野
第6回 10月18日(水) 市立工芸 科学史講座A 4:30〜5:30
第7回 11月 8日(水) 教育大平野 研究集会の準備意見交換
研究集会11月15日(水) 第5時限 全体会 第6時限 公開授業
高槻南高校
本管 正嗣氏,池田 昌子氏,徳富 信明氏
第8回 12月13日(水) 近畿大学 自然科学原書見学会
第9回 1月17日(水) 教育大平野 センターテスト講評会
第10回 2月14日(水) 教育大平野
第11回 3月27日(水) 教育大平野 科学史講座B 4:30〜5:30
- 懸案中の企画
- 岡部 久高氏(府教育センター 科学教育部理科第1室室長)講演会
- 大阪府立大学工学部 先端科学研究所 見学
- 愛知県岡崎市 国立共同開発機構 分子生物学研究所 実習泊研修
シリーズ科学史講座
(化学研究委員会と合同) 4:45〜6:20
- 村岡 輝一副会長挨拶
本日は、理科教育の視点に立った科学史について講演していただけるものと期待している。
- 講師紹介
立命館大学 経営学部教授(技術開発論)兵藤 友博氏
1948年生まれ,名古屋大学 理学部卒,平成6年度まで東京都立高等学校教諭と神奈川大,東京工大,横浜国大,東大及び都留文化大で講師兼任,
現在、岩波書店「科学史研究」編集委員,龍谷大講師兼任
- 講演 第1回 古代ギリシャと科学的自然観の誕生
科学的とは、自然を自然で説明する姿勢である。なぜ、古代エジプトではなく、ギリシャに科学的自然認識が誕生したのか。
人類は、技術を身につけることによって自然認識をしていったといえる。エジプトでは、ナイル川の大規模な治水事業に、国王を頂点とする国家体制が必要であった。
その結果、自然の見方も社会型発想になった。これに対し、ギリシャでは、家族農業を核とするポリス社会であり、鉄器の開発とともに、科学性の保持を許して、自由な思索を可能にした。
タレスの水を自然の原理とする思想からデモクレトスの多様な原子とそのまわりの空間の発想へとつながった。
そして、プラトンからアリストテレスへと発展していった。
今回に続いて、2回目,3回目とアルキメデスからガリレイに至る科学の方法の獲得について展開していただく予定である。
参加のみなさんともこれからの理科教育のあり方についても、意見交換したいと意欲をもっておられる。
- 質疑応答,意見交換
山田、三木、萩原、利安、尾野の各氏から質問や意見が出された。
理科の高等学校の教科書には、科学史年表が掲載されていて、授業でも人と科学について積極的に取り入れられている。
今日は近代科学の原点としての古代ギリシャ時代の科学的認識について明解に展開していただいた。