96年度 第11回 物理研究委員会報告


日時 1997.3.26(水)
会場 大阪府立旭高等学校
   大阪市旭区高殿 5-6-41 06-951-3133,FAX 06-951-7501

  1. 研究委員発表
    1. 旭高校(設立48年)の古い実験器具 筒井 和幸氏(旭)
      アーク灯  アーク灯などが残されている。アーク灯はかつては白色光の光源として使っていたようであり、今でも使える。炭素棒は化学の電気分解の電極として使うものを代用できる。
      これ以外に、風洞やパスカルの原理の教材、ウィムシャスト発電機などもあり、いくつかは修理中である。


  2. 部会活動報告
    1. マイコン部会 神川 定久氏(寝屋川)
       前回は、天王寺商業の児玉先生にAT互換機を作るための部品を見せていただいた。忙しいので組み立てていないが、次回までに組み立てておくとのことであった。また、屈折率の測定に使うガラスブロックが意外に高価なので、プラスチックケースに水を入れて、水の屈折率の測定実験をしたという報告もあった。プラスチックケースのために多少誤差はあるが、物理IAの実験として行ったので、特に補正は行わなかったそうである。また、Javaで作成した力学のソフトの紹介も会った。これ以外に、鉱石ラジオのまとめ、Encartaの教育モニター、来年度大阪府立高校からインターネットにダイヤルアップ接続できるようにする計画などが紹介された。 次回は4月23日天王寺商業にて

    2. 指導法部会 中村 泰孝氏(四条畷)
      • 慣性実験器の試作(西淀川 穐山氏)
         HOゲージの台車にリモコンで小球を跳ね上げる装置を付けたものを走らせ、跳ね上げた小球を受ける慣性実験器を作った。
      • 三層液を回転させると(茨田 川端氏)
         三層の液を作ったものを回転させると境界面がおもしろい形になるのではないかという宝田先生の意見を受け、回転させてみたが、回転開始から定常状態に落ち着くまでは、液体の粘性の違いにより、回転数などが層によって違うため、境界面が膨らんだりするが、定常状態になると、普通の境界面になってしまう。
      • 縦波のモデルについての疑問。
         重りとばねを互い違いにつなげた媒質を縦波が進んでいくとき、重りがもっとも速く動いている点と、ばねの変形がもっとも大きい点が一致しているが、このとき媒質の力学的エネルギーの分布をどのように理解すればよいのか。
      • 力学的エネルギー保存の実験(大東 田中氏)
      • 「熱」と「熱エネルギー」 (教育大平野 川内氏)
         「熱エネルギー」とは内部エネルギーの一部で熱運動thermal motionのエネルギーである。物体の熱運動のエネルギーの変化量が移動した「熱」heatに等しい
      • 音のさん要素とは? (四条畷 中村氏)
         各教科書会社によって表記が違う。
        1.高さ、強さ、音色(第一学習社、啓林館、三省堂、実教)
        2.高さ、大きさ、音色(数研)
        もともと、音の強さと大きさは同じ意味で使っていたものが、強さの方にエネルギーと結び付けた厳密な定義をしたため、大きさと強さが別の意味を持つようになってしまったのだろう。

    3. 教育課程部会 筒井 和幸氏(旭)

      まだ、次回の部会は行われていないが、検討に用いる、教科書の需要数の調査を示しておくので、意見などがあれば知らせてほしい。

      年度 H5 H6 H7 H8 H9
      理科I 1745928 55840 12074 6188 39
      物理 563593 512950 108593 4244  
      物理IA   130869 238609 306472 291810
      物理IB   109067 444525 480008 464042
      物理II     25165 198914 198221
      旧課程 1,2,3,4年 2,3.4年 3,4年 4年 なし
      新課程 なし 1年 1,2年 1,2,3年 1,2,3,4年

      1997年度教科書需要数科目別

        物理 化学 生物 地学
      IA 291810 498780 367092 137989
      IB 464042 10344431 942035 167360
      II 198221 285221 285221 15375

      総合理科 50391

  3. 次年度の日程・計画について 大塚 信之氏 (四条畷)
    見学会や研修会、講演会なども需要があると思われるので、計画したい。
    来年度の所属の確認もしたい。
    来年度の案内と電子メールの関係はどうなるか検討する。

  4. 新理科検討委員会報告
    委員が2人増えているが春休み中はまだ開かれていない。

  5. 今後の日程
      第1回幹事会 4月30日(水) 住吉高等学校
      第1回総会  5月28日(水) 未定

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