ガリレオの斜面の実験

以下はガリレオの実験そのものかどうかはわかりませんが、ガリレオの著書の1部です。

 長さ約12キュービット(1キュービットは0.6mぐらいなので、7mぐらい)幅1/2キュービット、厚さ3指幅の定規又は角材を持ってきます。
 その縁に幅1指幅あまりの溝を切ります。 この溝は極めてまっすぐに作られ、平滑に、かつ磨かれ、なおその内側に、できるだけ平滑なつるつるした羊皮紙が貼ってあります。 その上を硬く、平滑な、完全に丸い真鍮の玉をころがすのです。
 この板をその1端が他端より1ないし2キュービット引き上げて傾斜した位置に置き、上に述べた玉を溝に沿うてころがし、その落下に要する時間を次に述べるような仕方で記録するのです。

 我々はこの実験を繰り返して、再度の観測の差が1脈拍の10分の1を超えないまでに精密なものにしました。
 その結果が十分信用できると考えられるまでこれを繰り返した後、今度は球を溝の長さ1/4だけころがして、その落下時間を測ってみますと、前の場合のちょうど半分であることを見出しました。
 次に我々は異なった距離で行い、全体の長さに対する時間を、1/2あるいは2/3、3/4など、任意の分数をなすものとを比較してみました。

 この実験を100回はたっぷり繰り返したのですが、かような実験において我々は常に、経過距離が時間の2乗に比例すること、また、それが板の、すなわち我々が球をころがした溝の傾斜が何にかかわらず真なることを見出したのであります。

 我々はまた、板の種種なる傾斜に対する降下時間が相互に精密に我々が後に見るように、著者がそれらに対して豫示し、証明したところの比を保つことを観察したのであります。

新科学対話p.42、p.43より

 


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