横波と縦波

単振動と波動で学習したように、波動とは振動が次々と伝わっていく現象です。 逆にいえば、振動が次々と伝わっていく現象であれば、それは「波動」だと考えてもかまいません。 ですから、普通よくある「波型」をしていなくても波動として扱えるものがあるのです。 その代表的なものとして「縦波」と呼ばれている波があります。

右のスタートボタンを押してみてください。 物体が振動を始め、波形が伝わっていくのが見えると思います。 この「波型」が伝わっていくものが「横波」と呼ばれる波です。

次に、下の方のラジオボタンを「縦波」に変えてみてください。 波の様子が変わりましたね。 これが縦波です。 縦波は間がまばらな部分(疎)と間が詰まった部分(密)が交互に伝わっていくので疎密波とも呼ばれます。

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では、この縦波は横波とどこが違うのでしょうか。 1つ1つの媒質が振動していて、振動の状態が伝わっていくという点は変わりません。 違うのは、振動方向と、進行方向の違いだけです。

横波というのは波の進行方向と媒質の振動方向が垂直に交わっている波です。 このとき、媒質は波の進行方向を横切るように振動していることになります。

縦波というのは波の進行方向と平行な方向に媒質が振動している波です。 このとき、媒質は波の進行方向に沿うように振動していることになります。

このように、縦波と横波は媒質の振動方向がちがうだけで、基本的な波の性質は同じです。 このような縦波の例としては音波があります。 たとえば、スピーカーの動きを思い出してください。 コーンが振動する方向と音波が出る方向は同じです。 コーンの動きで空気の疎密が作られ、伝わるのです。

次は波の重ね合わせと独立性について見てみましょう。


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これは神川定久が作成したものです。

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